株式会社ヨコオ 様
「丸投げ」では、ブラックボックス化してしまう。
自社システム管理の負担から手を離しつつ、
人事の“コアスキル”を社内に残し、
「BPO×自社運用」によるベストな形を目指す。


| 業種 | 車載通信機器・コネクタ・医療機器等の開発製造販売 |
|---|---|
| 従業員数 | 900名 (2026年3月末現在) |
| 担当部署 | 人財本部 人事部 |
導入前の苦悩と「リソース」の限界
まず、御社の事業環境と、現在の人事部門に求められている役割についてお聞かせください。
並木様(人財本部 人事部 部長)
当社は車載通信用アンテナから半導体検査用・情報端末機器用の微細コネクタ、医療機器など、自動車・半導体・電機・医療分野におけるグローバル市場でビジネスを展開している電子部品メーカーです。
競争が激化する市場環境において、人事部門にはこれまでの「管理部門」としての役割だけでなく、事業成長を支える「戦略的」な役割が強く求められるようになってきました。
具体的には、人材獲得競争が激しい中での優秀な人材の確保、そして採用した社員の育成やエンゲージメント向上といった中長期的なテーマです。昨年4月から組織名称も「人財本部」となり、人を企業価値を創出する重要な「財産」として扱う意思を明確にしました。
経営層と密に連携し、給与・労務といったオペレーション業務とは別に、これからはデータ活用などを含めた戦略的な人事にシフトしていく必要がありました。
MHCトリプルウィン導入前(2014年頃)、現場ではどのような課題があったのでしょうか?
当時はシステム運用において相当なご苦労があったと伺っています。
並木様(人財本部 人事部 部長)
正直なところ、当時は戦略的な人事以前に、目の前のオペレーション維持で手一杯な状況でした。
2014年頃の給与計算システムは、社内の情報システム部門が構築した「オフコン(オフィスコンピュータ)」で動いていました。
ERPパッケージなどが普及し始めていた時代ですが、当時は人事システムも自前、勤怠管理に至ってはタイムカードやExcelでの手作り管理という状態でした。
毎月の給与計算では、何百人もの社員の勤怠等のデータを紙で出力し、それを人事担当者が手入力で打ち込むという、今では考えられないほどのアナログ作業が発生していました。
システム刷新のきっかけは、何だったのでしょうか?
並木様(人財本部 人事部 部長)
これまでシステム管理は、情報システム部門が対応してくれていましたが、オフコン廃止によるハードウェアの保守期限(2015年)が迫っており、システム刷新は待ったなしでした。
人事部としても、社員への労務対応の影響がなきように、また将来の人事業務を見据えて早急に検討しなければいけない状況となっていました。
本来向き合うべきは「人=社員」でしたが、「機械」に向き合わなければならない状況が続き、ジレンマがありました。
選定理由と「ハイブリッド」の決断
システム刷新にあたり、MHCトリプルウィンを選定された決め手は何だったのでしょうか?
並木様(人財本部 人事部 部長)
検討時には4〜5社ほど候補がありましたが、決め手となったのは「将来的な拡張性」と「柔軟性」です。
当社の今後の更なるグローバルな事業成長のため、将来的に海外拠点の管理を含めた拡張が必要になる可能性があります。
MHCトリプルウィンの基盤システム「POSITIVE」は、そうしたグローバル対応やグループ管理に強みを持っていました。
また、当時の当社には人事管理のパッケージシステムすら導入されておらず、人事台帳もない状態でした。そこから「業務のアウトソーシング」と「システム構築」の両方を実現できるパートナーとして、MHCトリプルウィン(当時は日立トリプルウィン)の実績と信頼感が大きかったですね。
御社の運用の特徴として、月次の給与計算は「自社」で行い、負荷の高い年末調整などは「委託」するという「ハイブリッド型」を採用されています。すべてを委託して楽になる道もあったはずですが、なぜあえて社内運用を残されたのでしょうか?
並木様(人財本部 人事部 部長)
そこは非常に議論したポイントですが、結論として「ブラックボックス化」を避けたかったという想いがあります。
もし業務をフルアウトソーシングしてしまえば、社内に「給与計算の仕組み」や「法改正の影響」を理解している人間がいなくなってしまいます。
我々は人事のプロとして、所得税法や社会保険の仕組みを理解し、社員からの問い合わせに即答できるスキルを維持しなければなりません。
「丸投げ」をして、中身がわからないまま結果だけを受け取るのでは、今後、経営と連動した人事の取り組みや、人事施策などが打てないのではないかと考えたのです。
あえて苦労を選んででも、社内にノウハウを残したかったと。
並木様(人財本部 人事部 部長)
そうです。必要な時にプロの手(BPO)を借りつつ、コアとなるノウハウは社内に残して人財を育てる。
この「ハイブリッド」な形こそが、当社にとって最適解でした。実際、導入から約10年経ちますが、若手に労務知識がしっかりと継承されており、当時の判断は間違っていなかったと感じています。
現在も会社の成長や世の中の変化に応じて、労務業務のベストな形を目指しています。
現場の変化とサポート体制
ここからは実務を担当されている皆様にお伺いします。導入時、トラブルや混乱はありませんでしたか?
山口様(人財本部 人事部 労務課)
それが、驚くほどスムーズでした。導入時には「サーベイシート(ヒアリングシート)」というものが用意されており、私たちの業務ルールや要件をそこに落とし込むことで、きちんと文書化・整理がなされました。
以前、MHCトリプルウィンさんの担当者が変更になった際も、このドキュメントがしっかりしていたおかげで、何の問題もなく引き継ぎが行われました。
通常、担当変更はトラブルの元になりがちですが、MHCトリプルウィンさんの場合は情報の蓄積と管理が徹底されているため、非常に安心感があります。
若手の担当者様から見て、MHCトリプルウィンのサポート体制はいかがですか?
鈴木様(人財本部 人事部 労務課)
私は入社2年目ですが、業務で不明点があればまずは先輩の山口さんに聞き、それでも解決しない専門的な内容はMHCトリプルウィンさんに問い合わせるというフローができています。
まだシステムの深い部分まで理解しきれていない時に、「中途入社の方はデータが3ヶ月分しかないので、こういった出し方はできませんよ」といった仕様面も丁寧に教えていただき、業務が止まることなくスムーズに進められています。
法改正への対応などはいかがでしょうか?
グエン様(人財本部 人事部 労務課)
法改正のたびに自分たちですべて調べてシステム改修するのは大変ですが、MHCトリプルウィンさんは必要な情報をタイムリーに提供してくれます。
特に助かっているのが「マニュアル」です。以前は担当者が手書きで作っていた年末調整のマニュアルも、今はMHCトリプルウィンさんが毎年最新版を作成・更新してくれます。
これがあるおかげで、繁忙期の業務負荷が劇的に下がりました。
具体的に、繁忙期(年末調整など)のオフィスの風景は変わりましたか?
山口様(人財本部 人事部 労務課)
以前を知るメンバーからすれば、劇的な変化だと思います。
オフィスの風景はあまり変わりませんが、面倒な作業はMHCトリプルウィンさんへお任せでき、業務も分散され、精神的にも作業的にもとても楽になりました。
昔の苦労を知っている人でないと、今のありがたみが分からないと思います。
システム連携とパートナーシップ
戦略人事課の中島様にお伺いします。
現在、タレントマネジメントなど新しい取り組みを進められていますが、システム連携の面でMHCトリプルウィンの対応はいかがでしたか?
中島様(人財本部 人事部 戦略人事課 次長)
近年、タレントマネジメントの重要性が増し、当社でも専用の他社システムを導入しました。
しかし、システムが乱立するとデータ管理が煩雑になります。
そこで、給与・労務データを持つMHCトリプルウィンさんの「POSITIVE」をマスターデータとし、他社システムへ連携させる仕組みを構築しようと考えました。
通常、ベンダーからすれば他社製品との連携は嫌がるものですが、MHCトリプルウィンさんは「やれない理由」ではなく「どうすればできるか」を一緒に考えてくれました。
「できない」と言わない姿勢があったのですね。具体的なエピソードはありますか?
中島様(人財本部 人事部 戦略人事課 次長)
特に印象的だったのは、当初想定していた連携方法が技術的に不可能だと判明した時のことです。
MHCトリプルウィンさんは単に「できません」と断るのではなく、「それなら、こういうデータ出力機能を設ければ連携可能です」と、代替案を積極的に提案してくれました。
あの提案がなければ、プロジェクトは頓挫していたかもしれません。大袈裟ではなく、担当者として本当に「救われた」瞬間でした。
その柔軟な対応が、御社のDXやデータ活用に繋がっているのですね。
中島様(人財本部 人事部 戦略人事課 次長)
はい。その成功体験があったおかげで、現在では健康管理システムや経費精算システムにおいても「POSITIVE」をマスターデータとして活用できています。
人事担当者として一番不安なのは、「相談しても断られるのではないか」「システムが足枷になるのではないか」という点です。
しかしMHCトリプルウィンさんには、「何かあったらまず相談してみよう」と思える心理的な安全性があります。
これは長期的なパートナーシップにおいて、何にも代えがたい価値だと感じています。
今後の展望
最後に、今後の人事戦略とMHCトリプルウィンへの期待をお聞かせください。
並木様(人財本部 人事部 部長)
導入から約10年が経ち、当初の「オペレーションの安定化」という目的は達成されました。
今後は、より”経営に資する人事”としての役割へとシフトしていくフェーズです。
MHCトリプルウィンさんは、単なるシステムベンダーではなく、こちらの要望に対して真摯に向き合ってくれるパートナーです。
「ハイブリッド運用」という形も固定的なものではなく、若手メンバーの成長や事業環境の変化に合わせて、委託範囲を広げたり、逆に内製化したりと、柔軟に見直していけると考えています。
システムが足かせにならず、むしろ戦略の土台になっているのですね。
並木様(人財本部 人事部 部長)
その通りです。「システム周りは安心」という土台があるからこそ、これからは人財育成やエンゲージメント向上といった“より付加価値の高い人事部としての本質的な業務”に、より一層リソースを注いでいきたいと思います。
これからも、私たちの変化に合わせて並走してくれることを期待しています。


